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2021年11月29日 安定したネットワーク環境で快適なオフィスをつくる森山 直彦

オフィス環境

我々は、オフィスの構築を仕事としています。お客様によって、備品屋さんと思われていたり、パソコン屋さんと思われていたりもします。オフィスの構築には、備品があり、内装があり、OA機器がある。という事で幅広い業務内容です。

中でも今回はネットワークについてという事で記事を書くことになりました。幅が広すぎてなかなか考えがまとまりませんでしたが、今回は現在一番ホットではないかと思われるWi-Fiについて書いてみようと思います。

オフィスの環境は在宅勤務などが必要だったこともあり、オフィス以外のどこででも仕事ができる環境が徐々に増えつつあります。オフィスの内側に関しても、自由に席を選べる形態が増えてきているので、そうなるとネットワークの中でもWi-Fi環境が重要な役割になってきますよね。各メーカーのWi-Fi機器もここ数年で大きく性能が上がっています。

1. 無線の種類

無線規格の一つであるBluetooth接続の機器も増えてきましたね。私もAirPodsで楽しんだりしています。画面投影のMiracastなんかも便利ですね。
ローカル系の無線の種類ではこのBluetoothとWi-Fiに大別されます。赤外線もありますがこれは用途が限定されるのでここでは省きます。

BluetoothはIEEE 802.15.1という国際的な標準規格で決められており、Wi-FiはIEEE 802.11という規格です。BluetoothはWi-Fiに比べて範囲が狭く約10M程度で通信速度が遅いという特徴があります。消費電力が少ないのでパソコンなどで利用する周辺機器によく利用されています。

2. 規格の違い

一方Wi-Fiには6種類の規格があり、IEEE802.11の続きにb/g/a/n/ad/ac/axが付き、右に行くほどスピードが速くなります。axの事をWi-Fi6と呼び、これから増える規格です。まだ対応する機器が少ないですが、何と最大通信速度9.6Gbps!へたな有線より早いのです。
acでも6.9Gbpsあり、nだと600Mbpsになります。もちろん理論値なのでここまで出ることはありませんが、古いAPを使っている方はどの規格を利用しているのか調べてみてください。新しい規格にするとこれだけでも劇的に変わりますよ。

3. 2種類の周波数帯

そして2.4GHZと5GHzの2種類があります。電波の帯域(周波数帯)のことです。こちらもそれぞれ特徴があります。

表のように一長一短あります。2.4GHzは速度は遅くても障害物に強かったり、5GHzは高速でも届く範囲が狭かったりするんですね。
両方を搭載しているアクセスポイントがほとんどなので、場所や距離によって選ぶ必要が出てきます。

4. チャンネル

無線通信では、複数の機器が同時に通信できるよう、利用する周波数帯域を分割しています。その分割した周波数帯域をチャンネルと呼びます。無線LAN機器を使う場合、電波の届く範囲にある他の機器とチャンネルを分ければ混信が防げます。
チャンネル数は約は13個ありますが、同じチャネルを使うと干渉によって速度が低下するなどの問題が発生します。さらに隣り合うチャネルとは干渉し合います。
そこで、2.4GHz帯を使って無線LANを使う場合は、それぞれのアクセスポイントの周波数が重なり合わないように、「1・6・11(14※)」、「2・7・12」、「3・8・13」のように5CHずつ離して、割り当てていく事が一般的です。

出典:㈱フェニックス 無線LANよろず講座

5GHz帯を利用する場合、IEEE802.11aのW52で36・40・44・48の4つのチャネル、W53で52・56・60・64の4つのチャネル。W56で100・104・108・112・116・120・124・128・132・136・140の11個のチャネルが使用できます。
IEEE802.11aの場合にはそれぞれのチャネルの周波数が重ならないような仕様になっていますので、隣接チャネルを割り当てても干渉する事はありません。

出典:㈱フェニックス 無線LANよろず講座

最近のアクセスポイントではあまり混雑してないチャネルに自動で切り替える機能が搭載されていますが、このチャネル切替の際に電波が途切れる事が障害に繋がるなどのケースもあるので注意が必要です。

5. ローミング

病院のネットワーク構築をした際に”目的が電子カルテの利用で、病棟の方の利用ではノートパソコンをカートに乗せて回診する”という要望がありました。ここで問題になるのが「ローミング」です。携帯でも使われる言葉ですが、Wi-Fi環境でいうローミングとは、パソコンが移動したときに違うアクセスポイントに自動で切り替わる事です。
おなじSSIDとP/Wを設定しておくだけで可能なのですが、これが切り替わるタイミングがそのパソコンに搭載されている無線LANアダプタによって違うので、機種によっては目の前のAPに繋がらず、ずっと遠いAPと通信していて遅い。という事はよく起こります。
最近ではローミングレスというものも出てきているので、こちらの病院さんではこのローミングレスを採用してもらいました。評判は上々です。

以上のようにWi-Fi一つについても快適に利用するには結構複雑な要件があるので、専門家に相談することをお勧めします。
ウチダシステムズでは、現状のネットワークを評価する「ネットワークアセスメント」というサービスもありますので現在のネットワークが心配な場合はコチラよりお気軽にお問い合わせください。

備品調達からネットワーク構築まで、幅広くお手伝い致します

九州支社法人営業部在籍。一時期は営業をしながら複合機の修理(CE)とPCやネットワーク設定(SE)も同時にこなした経験を活かし、お客様のITの課題解決に取り組む。

森山 直彦

ライター森山 直彦

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