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株式会社大林組 本社 様

創業130年を機に本社をフルリニューアル 全22フロアを、コミュニケーションが活性化されるオフィスに再構成

2022年7月4日

株式会社大林組 本社 様

本社総務部 管理課 副課長 大井 宏仁 様
開発事業本部 開発推進第三部 主任 三輪 南美子 様
開発事業本部 企画部 企画課 長岡 歩未 様
※2022年インタビュー当時

  • 目的
    リニューアル・増床
  • 地域
    関東
  • 従業員数
    300名以上

プロジェクト詳細

  • 竣工日
    2021年12月
  • 対象面積
    22フロア(約1,100㎡/フロア)
  • 所在地
    本社:東京都港区港南2丁目15番2号
  • 事業内容
    建築事業、土木事業、開発事業、新領域事業
  • WebURL

 

プロジェクト背景創業130年を迎えるにあたり、「オフィス改革プロジェクト」がスタート

Q. プロジェクトが始まった理由とウチダシステムズへ依頼するに至った経緯についてお聞かせください。
大井様:現在は品川にある本社ビルには、神田から1998年に移転してきました。移転から約20年が経過した2019年に、社内でオフィス改革に関する話題が持ち上がり、2021年に迎える創業130年の記念事業として品川事務所全体を改革しようと始まったのがこのオフィス改革プロジェクトです。
内装やデスク、キャビネット等が移転当時のままだったこともあり、当社の設計部門の方が勉強も兼ねてオフィスを改革しようと動き始めたのです。
ウチダシステムズさんとはかなり長いお付き合いです。1998年の品川事務所移転時にもお世話になりました。当社では、世間一般的に年度替わりの4月に実施することが多い組織改編の他にも、年中どこかの部署でレイアウト変更を行っており、その度にウチダシステムズさんに対応をお願いしていた経緯があるなど、ずっとお世話になっております。
本社総務部管理課副課長 大井 宏仁 様
本社総務部 管理課 副課長 大井 宏仁 様

プロジェクトのポイントコミュニケーションを促進し、風通しのいいオフィスを実現

Q. オフィス改革のポイントについてお聞かせください。
大井様:オフィス改革では「コミュニケーションの活性化」「ペーパーストックレス」「スマートオフィス」「スタッキングの見直し」をコンセプトとし、レイアウトの検討を進めました。なかでも「コミュニケーションの活性化」に注力し、いかにファストコミュニケーションをとりやすいオフィスにできるかを重要視しました。
当社ではフロア内での情報漏洩の観点から、ちょっとした打ち合わせにも会議室を確保することが多く、打合せ時間よりも会議室の予約や出席者の予定調整に時間がかかっておりました。また、執務フロア内に簡単な打ち合わせが出来るスペースもあまり多くありませんでした。
現在は、執務席の近くに打ち合わせ用のスペースを設置したため、気軽な打ち合わせがすぐにできます。執務席のグループアドレス化により、役職者を含め固定席を廃止していますので、課長や部長の隣に座ってパソコンを見ながら相談や打ち合わせができるようになり、ファストコミュニケーションが促進されましたね。
さらに、ウチダシステムズさんのご提案で、フロアの南北50mを直線で結ぶ広い「コリドー」という通路をつくり、フロアの風通しを良くしました。併せて、これまで部門の境や通路沿いに壁のように並んでいた背の高いキャビネットや、個人の席を囲んでいたパーティションも取り払いましたので、人の顔が良く見えるようになりました。これもコミュニケーションの活性化要素のひとつだと考えています。

プロジェクト進行手順やポイントなど、ウチダシステムズと一緒に考えながらオフィス改革を実行。懇切丁寧な対応で進行もスムーズに。

Q. プロジェクトにかかった期間とどのように進んだのかを教えてください。
大井様:プロジェクト自体は2019年10月から始め、2021年12月に終わりました。
USS 梶山:実はコロナ禍で工程が3カ月ほど中断しました。しかし、創業130年に合わせられるよう決められた時間でやりたかったので、どうすればスケジュール通りに進められるかをチーム内でかなり検討しました。
大井様:設計部門では2019年夏頃から部門での勉強を兼ねて、独自にオフィス改革を始めていました。同じ時期に、不動産事業や最新オフィスビルの提案を多く行う開発事業本部からも、勉強を兼ねて自部門が使用するフロアのオフィス改革を先行して検討をしたいとの要望が上がっており、その後、創業130年を機に品川事務所全体に実施しようと検討を始めました。
開発事業本部のフロアを先行して実施したことで、オフィス環境が変わることに不安を感じていた人にも、実際に改革した部門がどう活用しているか、「意外と大丈夫だね」というシーンを見てもらうことができました。
三輪様:開発事業本部はオフィス内部を含めたビル全体の建築計画の提案を行っており、自分たちが働くならどのようなオフィスに改革するかを検討しました。ちょうどABWやグループアドレスなど新しいオフィスの使い方が見え始めたくらいの時期でしたので、会社としてどういうオフィスがベストなのかを若手メンバーでチームを組んで、検討を進めました。
開発事業本部のフロアには、大きく3つのコンセプトがあります。
1つ目は、ペーパーレス・ストックレスです。不動産に関する資料や過去の書類などが多く残っていて、ペーパーレス化とデータでの蓄積を第一に考えましたね。2つ目は、働き方のカルチャーを変えることで会議や空間を効率化すること。3つ目は煩雑化しているプリンタや備品等をコンパクトにまとめることを主に考えました。そのためにはどのようなレイアウトが最適で、どのように運用するのが良いのかも含め、ウチダシステムズさんと相談しながら進めました。
開発事業本部開発推進第三部主任 三輪 南美子 様
開発事業本部 開発推進第三部 主任 三輪 南美子 様
USS 尾花:オフィス改革の実施フロアは計22フロアありましたので、まずはガイドラインになるものを定めたうえで、オフィスの骨格を決め、それに対してどのようにプランしていくかを考えました。
開発事業本部さんが最初のプランニングだったため、我々も手探りの部分もありましたが、ここが基本となって全フロアの方針が決まっていったと感じています。
大井様:フロアごとにたくさんの要求がありましたが、コスト面の問題もあり、変えられる部分は変え、変えられない部分は変えないと予め決めて作業を進めました。
三輪様:ウチダシステムズさんと改革を進めることが決まり、進め方や、何から検討するのかといった基本的なところから教えていただきました。
一方で、我々が進めていたワークショップや、同じ部門や他部門の方の意見も取り入れながら方向性を見極め、どういうところを採用したらよいのかもご指導いただきました。
長岡様:ワークショップは何度も行い、ウチダシステムズさんにもご参加いただきました。開発事業本部の将来像、在り方を考えるにあたり、デザインシンキングやアンケートなどで、少しずつ内容を詰めていきました。
USS 尾花:開発事業本部さんは若手の有志を募り、改革チームをつくって進めていらっしゃいましたよね。話し合いをよくされていて、「こういう働き方や使い方をしたい」というオフィスの全体像、目指す方向性のコンセプトシートをいただき、それに対して事例を示しながら進められたので、やりやすかったですね。
ウチダシステムズ 尾花
ウチダシステムズ 尾花

Q. プロジェクト初頭でコロナ禍になり、5つ目のコンセプトとしてコロナ対策を追加したようですが、何か特別なことをされたのでしょうか。
大井様:品川事務所は1階層が東西の2フロアに大きく分かれており、東西それぞれが約1,000㎡のとても広い空間となっています。プロジェクト当初から、ウチダシステムズ様のご提案により3.6m×3.6mのグリッドに細分化していました。そのグリッドの中心に什器を置くことにより、強制的に什器の周りに通路が設けられたことで、人と人、机と机に離隔を取ることができ、結果的にそれがコロナ対策に繋がりました。
また、品川事務所の空調システムが床下から天上へ吹き上げる方式なのですが、以前は棚や机で穴が塞がれたり、寒いからといって吹き出し口を閉じられてしまうことがありました。
今回のグリッド方式では、吹き出し口を通路やグリッドの境目に置くことで、空調システムを機能し易くしました。人が歩くことで空気の流れを生み出し、空気の淀みを無くして換気が促される形になったので、結果的にはそれが感染対策になったと思います。
USS 田村:コロナ禍を意識して新しいレイアウトを考えたわけではありませんが、このオフィス改革で空間にゆとりができました。我々が考えてきたことが感染症対策にもなったことは大きな成果だったのではないかと思います。
ウチダシステムズ田村
ウチダシステムズ 田村

プロジェクトを終えて軸となる目指す働き方があったからこそ、コロナ後の新しい働き方にも円滑に対応。これからもウチダシステムズと一緒に取り組みたい。

Q. オフィスの使い心地はいかがでしょうか。
三輪様:開発事業本部はリニューアルをして2年くらい経ちますが、とても快適です。コロナ禍でテレワークが推奨されたことやグループアドレスへの変更もそうですが、このレイアウトのおかげで、自然な形で新しい働き方に入っていけたと思っています。
我々はコロナ禍直前にペーパーストックレスも完了していたので、テレワークにも直ぐに対応できました。この改革があったからこそ、コロナ禍を乗り切れているのだと考えています。
大井様:オフィス改革開始当初は、執務席を固定席にする予定でした。「コミュニケーションの創出」という課題に対しては、ペーパーストックレスにより減少したキャビネットのスペースを打ち合わせスペースにする、程度の計画でした。
それが、コロナ禍によりテレワークが一気に浸透したことで、グループアドレスにも乗り換えられましたが、当初はこの改革に反対するような意見もありましたね。
USS 梶山:フロアによって部門が分かれていて、開発事業本部さんとは異なる働き方の部門もあります。ベテランの方が多いフロアもあり、いろいろな意見をまとめるために、打ち合わせの場では何度もヒートアップしたこともありましたね。
長岡様:我々もそれは大変でした。社内にはオフィスに詳しい方々も多いので、「こうあるべきだ」という既成概念があったりもしましたし。
三輪様:そういったことも含め、何度もワークショップを行い、皆さんに意見を出してもらいました。我々開発事業本部は比較的若い世代がオフィス改革を進めていましたので、ワークショップで年齢が上の方にも意見も出してもらいながら、だんだんと理解していただくことができました。
USS 田村:総務部さんと各部門さんの意見がぶつかり合っているときは、横にいてヒヤヒヤしました…。今では懐かしい記憶です。
三輪様:実際にできてみたら、皆さん結構楽しくフロアで働いてくださって、結果的にはとても良かったです。開発事業本部は割と早めに改革が終了していましたが、自分のフロアがきれいだとうれしいですよね。今では「こういうものを使ってみよう」「こういうものはないのか?」とたくさんの意見も出てくるようになりました。
開発事業本部企画部企画課 長岡 歩未 様
開発事業本部 企画部 企画課 長岡 歩未 様

Q. 今後もオフィスを改装する予定などはあるのでしょうか。
三輪様:いろいろ想定してレイアウトを考えたのですが、使ってみて意見も出てきました。「ここは意外と使わなかった」という場所もあり、変更をお願いしました。
長岡様:作業に集中できるよう、あえて周りを囲んだ集中エリアという個室をつくったのですが、コロナ禍で使用率が上がらないため、見直させていただきました。集中する作業は意外と自宅や外で行う社員が多く、逆にオフィスではコミュニケーションを求め、それが実現できる空間として使い分けています。
大井様:現在の課題として、ウェルビーイングを主体に、もう一度オフィスの見直しをウチダシステムズさんにお願いしています。全フロアの改装が終わって半年くらい経ちますが、開発事業本部のように改革を終えて2年くらい経つフロアもあるので、見直しは必要だと思っています。
例えば、アジャイルオフィスのように、開発しながらスピーディーに変化していける、そんなオフィスにすることが今後の目標です。
USS 梶山:我々も今回のオフィス改革がすべてではなく、ここからが本当の大林組様のスタートとして、時代に合った形でオフィスを進化させるお手伝いをしたい思いです。次はウェルビーイングという大きなキーワードに、フォーカスしていきます。
ウチダシステムズ 梶山(左) 開発事業本部オフィス(右)



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