株式会社釧路製作所 様
2021年9月2日
プロジェクト詳細
羽刕(うしゅう)様:もともとはコピー機のランニングコストを下げる目的で、ウチダシステムズさんに商材を紹介していただいたというのが始まりです。ただ、私としてはそれ以外にも、コピー機周辺のセキュリティ対策をどうにかしたい、という強い希望がありました。
実は、届いたファックスやミスコピー・ミスプリントなどが放置されていることが多々あったからです。事務所は誰でも出入りでき、放置された紙の情報を誰が見るかわからない状況でしたから、会社のセキュリティ面から言うと、あまりよろしくはない状況でした。
そこでウチダシステムズさんにはコピー機を依頼するのと同時に、セキュリティ管理で何か良い提案がないかと相談をしたのです。その結果、事務所の入口に、指紋とカード、顔、暗証番号のいずれかで識別する生体認証システムを導入していただきました。
実は以前にも認証システムの導入には前向きに取り組もうとしていましたが、当時はかなり高価なもので実現できずにいました。
ところがウチダシステムズさんからのご紹介は比較的安価なシステムで、この値段でセキュリティが保てるなら費用対効果は高いと判断し、導入を決めました。
羽刕様:コピー機とセキュリティ管理を同時に実現できるというのは、弊社にとってとてもありがたい提案でした。
そこで入口の認証システムを使って、もっと便利なシステムができないかと私の方から野仲さんに依頼をしたのです。そこからは本当に、弊社とウチダシステムズさんとが一体となって、新しいシステムの開発などを行ってきたというのが実情です。
具体的にはまず、生体認証のデータを出退勤と結び付けました。社員の出退勤時間を給料担当の部署に送るという、タイムカードの代わりになるシステムを作っていただきました。
生体認証は顔か指紋、カードか暗証番号を機械にかざすことによって、出退勤時間が自動的にカウントされます。そのデータをタイムカードの代わりにできないかと野仲さんに相談したわけです。
USS野仲:羽刕社長からのご依頼を認証システムのメーカーにお伝えして、結果的には釧路製作所様独自のアプリケーションを作ってもらうことができました。完全にオリジナルのシステムです。
メーカー側も生体認証システムの新しい使い方を発見できたと話していて、さまざまなアイデアを打ち出していただきました。
釧路製作所様と私ども、さらにはメーカーも一緒になり、製作・検証を繰り返しながらも完成させたのが、今回の生体認証を使った勤退システムです。
羽刕様:生体認証システムと出退勤を連動させたというのは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)ですね。それまで弊社では札幌支店は札幌で、本社でも1階と2階それぞれで管理していた出退勤の情報を、発想の転換によって一元化することができたというのは、かなり画期的なことだと思います。
ただ、出退勤の時にタイムカードを押すという作業は生体認証で行えましたが、それを給料に反映させるためにはまだ人が関わってくるので、最終的なところまでシステマチックになっていないというのが、現段階での課題です。
私の理想は出退勤、有給、代休までトータルでシステム管理できるようにすること。ですから、そこについて「何かいいのない?」って野仲さんに聞いているところです(笑)。
USS野仲:まだこれからも引き続きお世話になります、ということですね(笑)。確かに私自身、今回釧路製作所様のシステム開発に携わらせていただいたことで、生体認証を使った出退勤管理についてはかなり理解できるようになりました。ただ、有給などの申請管理については、まさに今、勉強しながら取り組んでいるところです。
申請関係のデータと出退勤管理の仕組みを合わせて新しいシステムを作る際には、給与や法廷証書に関わるような、人事総務全般に関する業務も連動しないと意味がないので、現在まさにメーカーと共に製作中です。
また弊社のグループ会社にはIT関係の会社もありますので、そのリソースも利用しながら開発を進めています。
このようなITやICTに関わる事例は、近年確実に増加しています。
羽刕様:会社組織というのは、それまでのやり方を変える際に少なからず抵抗はあります。その抵抗をいかに小さくするかが、導入を成功させる肝だと私は思います。
もともと私の頭の中には、最終的には人がまったく介在せずにさまざまな業務が行えるようになるという壮大な計画がありました。ただ、一気に進むとやはり抵抗勢力も大きくなるので、少しずつできることを増やしていこうという作戦にしました。
一方で、当社では以前からダイバーシティ経営を実行しています。社員には70歳以上のシニアや女性、ハンディキャップ持つ人などもいます。65歳以上の社員は7名で、中にはスマートフォンやパソコンに縁遠い社員もいます。
そこでシニアの社員とは年に一度面談をして、私から直接「今年はこういうことをやりたいと思っているので、協力してくれますか?」という話をして理解を得るようにしています。
またウチダシステムズさんからも何度か説明会を開いていただき、専門家のお話を聞きながら分かるまで教えていただいているので非常に助かっています。
羽刕様:現在はその先の段階まで進んでいます。生体認証システムから出退勤、そこから有給管理、残業管理、その他の申請管理まで。100点ではないですが、ほぼ終わっています。
さらに、ちょうど1年ほど前に、私が描いている絵を野仲さんに渡したことがあります。その絵というのは、人事システムと給与システム、労務管理がひとつのシステムとして共有されるようになる、というものです。それぞれのシステムに人事マスタが存在すると間違いもおきます。ひとつの人事マスタで勤怠管理から労務管理や会計システムまでも連動させることができないかと考えています。
例えば労務管理からくるハローワークへの申請や、税務署など役所関係への申請、社員からの有給申請や家族が変わったとか結婚した時の申請なども、すべてひとつのクラウドの中で完了できる仕組みを作ろうと、今取り組んでいます。
現段階では全体の6割ほど終わりました。6割なのでまだ100点ではない、ということですね。
羽刕様:釧路製作所からのオーダーというのは、野仲さんにとっても初めてのことが多いだろうし、そこで蓄積したノウハウを、この釧路地域の中でばらまいてもらってもいいですよと話しています。
IT化やDXによって釧路地域の経済活性化が進むことはとてもいいことだと思うので、釧路製作所というツールを使ってもらって、この地域の発展につながるようなことを実現してもらいたいです。
これから先は、地方の方がより少子高齢化が進むと思われます。その時に総務経理の仕事は、できるだけ人が介在しないでもできるような仕組みにしておかないと、地方の企業はやっていけなくなる時代がくるのではないか。だからこそ地域のDX化を推進するために、そのノウハウを地域に知らしめていく役割があると思います。
その役割を「やったら?」と野仲さんに話しています(笑)。
USS野仲:私も釧路製作所様の土俵に上がらせていただき、地域のためお客様の将来のためにご提案ができるようにと、意識しながら仕事をするようになりました。これは本当にありがたいことです。
釧路製作所様の「挑戦する」という企業理念には、私も感銘を受けます。ウチダシステムズの理念も「進化と貢献」です。
向かう方向性は同じではないかと感じており、一生懸命ご提案させていただいております。
羽刕様:釧路のような地方では、IT化やDXが進んでいない中小企業が多いと思います。そういう企業には、当社がウチダシステムズさんと一緒になって作り上げたシステムなどをご紹介しています。また、こんな仕組みを作れるベンダーは、釧路市であればウチダシステムズさんがいますよということもお話しています。
野仲さんもシステムには当然詳しいですし、ウチダシステムズさんのグループ企業にも専門性の高い企業さんがあるので、釧路地方でIT化やDXする際には、ウチダシステムズさんが相談するに値する企業だと思います。
また私から野仲さんへは、営業マンがノウハウを持つことで、お客さんにとってもメリットになることが多々あるので、たくさん勉強しなさいねと言っています(笑)。
それは釧路地方の中小企業のために活躍してほしい、という意味です。
USS野仲:羽刕社長は私にとって、いい先生のような存在です。今おっしゃっていただいた「営業が知識を持った方がいい」というお話もとても納得できます。営業はただ物を売ればいいという時代は過ぎ、これからは内容やその製造工程やストーリーなどが大事になってくると思いますし、お客様の内情や仕組みの奥深さを知ることで、より良い営業活動につながると感じます。
釧路製作所様にはそのためのステージと課題、そして新しい目標もいただくことができました。ですから今後も新しくてより良いサービスや商品があれば、まっさきに羽刕社長のところに持っていきたいと思っています。
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