医療法人洗心会 荒尾中央病院 様
2021年9月21日
プロジェクト詳細
下川様:当院は福岡県大牟田市にある精神科病院を起源としています。その後、同じく心のケアを専門とした病院を熊本県荒尾市に構え、荒尾中央病院そのものは1982年に開院しました。
精神科はもちろん、一般病院を望む地域の声に応えるべく、内科や皮膚科、整形外科なども備えています。また、高齢者の医療、訪問看護、在宅介護を一体的に提供できるだけでなく、人工透析も体への負担を抑えて受けることができます。
規模としては、4つの病棟に240床ほどが配置され、およそ250人の職員が務めています。
下川様:2019年に、院内ネットワークの整備について相談しました。電子カルテの導入が決まったので、安全かつ確実に運営していくためにも、すべてのサーバーやパソコンがどのようにつながっているのかを整理しようと考えたのです。
ところが実際は、私も含めて全容を知る者が一人もいませんでした。人員増やレイアウト変更のたびにパソコンやLANケーブルの接続を変更したものの、一切の記録を残してこなかったのです。これでは、担当者が退職すれば誰もわからなくなってしまいますよね。
こうした状態で既存の配線をひもといていくのは、時間と労力が掛かり過ぎると判断しました。そこで「すべてリセットをして新しいネットワークを構築しよう」と、この分野にも精通するウチダシステムズさんに相談することにしたのです。
USS吉川:初めに現状を調査しましたが、おっしゃるとおり系統がかなり複雑で、青いLANケーブルが煩雑に絡み合っていました。サーバー、フロアハブ、部屋、パソコンのつながりを少しずつ明らかにし、わかりやすく図面に起こしていきましたね。
そして下川様のご要望を伺いながら、新しいネットワークを構築していきました。診療が止まらないよう、既存のネットワークを稼働させつつ施工を並行させた形です。
USS吉川:さらに当社からは、LANケーブルの色分けも提案しました。調査の際に絡み合った青いケーブルを目にし、区分けやルール化が必要だと考えたからです。せっかくなのでネットワークの一新だけでなく、以後の管理もサポートできればと思いました。
そもそも、本件では施工後の運用も重要で、ネットワークのトラブルで医療が止まるのは絶対に避けなければなりません。当社ではSEの体制が整い、遠隔操作でも対応できるので、こうした点も丁寧に説明させていただきました。
下川様:このように保守やメンテナンスを任せられるのも、ウチダシステムズさんを選んだ大きな理由です。導入後の姿にも目を向けてくれたので、大変助かりました。
なおLANケーブルの色は「電子カルテ用はオレンジ」「レントゲンやCTなど画像関連は紫」「院内で扱う情報は青」としました。これでそれぞれの線がフロアを越えても、あるいは天井裏や床下などを通しても、簡単にたどることができますね。
ストレスからの解放はもちろん、トラブルが発生しても迅速な解決が期待できます。いうまでもなく私が担当から外れても、系統図と色違いのLANケーブル照らし合わせれば、誰でも一目瞭然に院内のネットワークを理解できます。
下川様:情報伝達の速さや安定性を求めて光回線を採用しました。ここでも、詳細がわからない回線が複数存在していたので、契約を見直すことからスタートしましたね。
また、多くの個人情報を扱うためセキュリティも強化しました。ウチダシステムズさんが紹介してくれた「beat」は、外部からの不正アクセスを遮断するシステムです。電子カルテは院内でのみ扱える設定ですが、それでも他のソフトなどが影響する可能性があるので、より強固にしようと導入しました。
下川様:当院には80代のベテランドクターもいますが、すでに電子カルテの扱いに慣れ、今では誰もが「紙のカルテには戻りたくない」と口にしています。
そもそも当院ほどの規模になると、紙のカルテでは情報共有がスムーズにいきません。また、検温や検査のたびに持ち歩き、手渡しの必要があるため、各職員の移動距離が長くて大きなロスに感じていました。こうした課題が解決できたのもうれしいですね。
また、データの書き写しなどがなくなり、医師や看護師が今まで以上に患者さまと向き合えるようになりました。事務的な業務が削減でき、さらに診察に注力できるようになりました。
下川様:毎朝のようにミーティングが開かれ、その日の施工予定が周知されました。また、当院の意向をフランクに伝えられたのが何よりも心地よかったです。
かしこまった関係だと「ああしたい、こうしたい」という要望を素直に伝えにくいので、私は各業者との距離感を大切に考えています。コロナ禍で業務外での関係づくりが難しい中、吉川さんは適度なペースで私との距離を縮めてくれました。
USS吉川:週に1回は御院を訪ね、例えばパソコンの不具合などにもフットワーク軽く対応してきました。お客さまに対する、当社のこうした姿勢が実を結んで良かったです。
下川様からは、院内で営業活動や施工を行うにあたり、頭に入れておくべき知識を学びました。今後も長くお付き合いしたいと願っているので、とても重宝しています。
下川様:顔認証やマイナンバーカードによる保険診療をはじめ、国内では病院のIT化が加速しています。荒尾市もまた、行政として患者さまの管理をICTで進める方針なので、当院もその流れについていかなければなりません。
今回のネットワーク刷新や電子カルテ導入により、いずれの方向にも舵を切る下地が整いました。いつでもスタートを切れるよう、これからも準備を続けてまいります。
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